ぐだぐだ日記

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南アルプス国立公園

こうした動きに呼応して環境省は1999年、民間の山小屋に対してトイレ整備に対する補助制度を設けるようになり、これで山小屋のトイレ改善は一気に加速した。2003年現在、50を超える山小屋のトイレがこの補助制度を利用して改善された。この制度は民間の山小屋に国(環境省)が直接2分の1補助を出すというもので、国から民間に直接補助を出すという制度はほかの省庁でもあまり例がなく、きわめて画期的といえる。ここまで環境省に決断させた背景には山小屋にその周辺の管理の多くをゆだねているという事情がある。国立公園や国定公園環境省が直接管理することになっているが、そのためにはぼうだいな経費と人手を要する。そのため実際には地元の行政や山小屋に管理の多くをゆだねている場合が少なくない。たとえば、山梨県、長野県、静岡県にまたがる南アルプス国立公園をとってみても、その広大な山域を環境省の1、2名の専門職員と、数名の臨時職員で管理している状態だ。これでは事務所内の仕事をこなすのが精一杯で、現場での業務などとてもできる状況にはない。にもかかわらず山での業務は山ほどある。登山道や登山標識の整備、高山植物や森林など自然環境の保護、遭難防止や救助などで、それらの管理業務の多くを山小屋がになうよう期待されている。